「べらぼう」まさかの”劇中劇”で蔦重の仇討ちを展開!笑いと涙の異例回で、笑顔を取り戻した誰袖
『手拭合』のスキマ男(仮称)をモデルに、とびきり下らない主人公・仇気屋艶二郎(あだきや えんじろう)を生み出した山東京伝(古川雄大)。あまりの下らなさに、闇堕ちしていた誰袖(福原遥)も笑いを禁じ得ません。
世の人気は『江戸生浮気蒲焼(えどうまれ うわきのかばやき)』がかっさらい、佐野世直大明神ブームを一気に塗り替える形で。蔦重(横浜流星)らしく粋な「仇討ち」を果たしました。
【大河べらぼう】で劇団・蔦重(?)が劇中劇で演じた『江戸生艶気樺焼』の実際の内容を全ページ紹介
いっぽう江戸城では田沼意次(渡辺謙)が松前藩のウラ帳簿を入手。もう一つの「仇討ち」である蝦夷地の上知を一気に推し進めますが、突如押しかけた一橋治済(生田斗真)の怪しい態度に不安を禁じ得ません。
亡き田沼意知(宮沢氷魚)を思い、蔦重と田沼それぞれの仇討ちが展開された第29回放送「江戸生蔦屋仇討(えどうまれ つたやのあだうち)」今週も振り返っていきましょう!
すべての人が笑える笑いを
新しい物語を考える上で、『金々先生』の二代目というコンセプトでブレインストーミングが行われましたが、大田南畝(桐谷健太)の評価は「上々吉」。頭に極はつかない(最上ランクには及ばない)ようです。
そんな中、堅物なおていさん(橋本愛)が「この物語の何が面白いのか解らない」と辛辣なコメントを加えました。
世慣れぬ男がお江戸へやってきて、不器用ゆえに散々騙されるというストーリーは、確かに賛否分かれそうです。
そういう人物を指さして笑うのは、いじめと何が違うのでしょうか。
フフフ(陰湿な笑い)ではあるが、ガハハ(明るい笑い)ではない……誰もが笑えるストーリーでなければ大ヒットは狙えません。
何かと暗い世の中だからこそ、「素人も面白ぇ。けど『通』も唸る」作品が求められていたのでしょう。
京伝の敵娼(あいかた)とは?
仲間たちから率直な意見をぶつけられ、いつもニコニコ顔の京伝も顔をしかめ、へそを曲げてしまいました。
やっぱり荷が重いと執筆を投げ出した京伝に、蔦重は必殺奥義「扇屋 花扇(おうぎや はなおうぎ)」を繰り出します。
女好きの京伝だから、花扇ほどの花魁をあてがえば機嫌を直してくれる……と思いきや。
「扇屋には、もう敵娼(あいかた)いますんで!」
「じゃあ大先生がた、後はよろしくお願いしま~す」
確かに、妓楼一軒あたり敵娼は一人。他の妓に浮気する訳にはいきません(他の妓楼でもよくはないのでしょうが……)。
そんな京伝の敵娼は、扇屋の菊園(きくぞの)と思われます。
後に京伝と結婚してお菊(きく)と名を改めますが、果たして本作には登場するのでしょうか。
劇中では三味線の師匠・つや(国分 佐智子)といい感じになっているものの、彼女との関係も気になるところです。



