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「べらぼう」まさかの”劇中劇”で蔦重の仇討ちを展開!笑いと涙の異例回で、笑顔を取り戻した誰袖

「べらぼう」まさかの”劇中劇”で蔦重の仇討ちを展開!笑いと涙の異例回で、笑顔を取り戻した誰袖:3ページ目

腹開きを背開きに……うなぎ屋で仲直り

世は佐野一色。苦労に苦労を重ねた真面目な旗本が何一つとして報われず、逆恨みから刃傷事件を起こして切腹と、その生涯は何一つ笑えません。

それじゃあ何もかもひっくり返せば笑えるだろう……あたかも鰻を腹開きから背開きにするように。春町先生、美味いことを言いました。

鰻を捌く時に腹から開くのは切腹を連想させて縁起が悪いため、関東では背中から開きます。いっぽう関西では「腹を割って話す」と前向きにとらえたことから、腹開きが好まれたそうです(諸説あり)。

大金持ちの一人息子で甘い汁しか吸ったことのないバカ旦那なら、たまには思いっきり苦い汁を吸わせてもバチは当たるまい……誰もが遠慮なく笑えるバカバカしさを極めることで、かの『江戸生浮気蒲焼』が生まれました。

浮名を流したい仇気屋艶二郎が、財力にモノを言わせて悪戦苦闘。やることなすことバカバカしく、これでは人を呪う気さえ失せてしまうでしょう。

京伝「バカ旦那は、浮名を立てることに命を懸けんだ」

蔦重「心底惚れたい、惚れられたいわけじゃなく」

京伝「ただ『あれはモテる』『色男だ』って周りから言われてぇ!」

春町「うん。清々しいほどバカな望みだ」

蔦重「それ、読みてえよ。俺、とんでもなく読みてえ!」

京伝「俺……めっぽう書きてえです!」

かくして蔦重と京伝は仲直り。こういう展開は、見ていてワクワクしますね。

4ページ目 一橋治済が「御礼」の理由は? 〜 次回放送「人まね歌麿」

 

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