パリ五輪「初老ジャパン」が話題、実は「初老」はXX歳を指す言葉だった!中年と初老はどう違うの?
連日猛暑と五輪の熱戦で眠れない日々をお過ごしの方も多いと思います。
「初老ジャパン」という愛称のチームが馬術で90年ぶりのメダル獲得で、驚いた方も多いでしょう。しかし初老ジャパンって失礼じゃない?と思った方もいたと思います。
初老は「60代からじゃない?」という人が多いかもしれません。
いえいえ、実は初老は40歳をピンポイントで指す言葉なのです。
初老の由来
初老の語源は、とても古く奈良時代に遡ります。初老は還暦・古稀・喜寿・傘寿・米寿と同じく「賀の祝い」にあたり、長寿を祝う習わしの一つです。
長寿に関する初めてのお祝いは40歳で、それを「初老」と呼んだことが始まりです。
学問の神様としても崇められるあの菅原道真も、七言律詩の一句を詠んでいます。
「霜鬚秋暮驚初老」
秋の日の暮れ方に、霜のように白くなったあごひげに気づいて自分も40歳になったのかと愕然(がくぜん)とする
という意味です。
40歳というのは現代でも人が体力や健康のピークを過ぎて、下り坂の「老い」を感じ始める年齢ですね。
しかし現代では男女ともに平均寿命が80歳を超えているため、働き盛りの40歳に対して初老と呼ぶには違和感を覚える人が多いのでしょう。そのため失礼と感じてしまう人が多いのも、もっともです。
初老を祝う習わしもあります。大厄と重なる男性には「初老祝い」という習わしがあり、初老を迎える男性が親族・知人・友人にお餅などのお祝いを配ったり、宴会をもよおしたりします。反対に初老の男性にお祝いを贈るときは「厄払い」としてお贈りします。現代ではネクタイ、ハンカチなどが選ばれるそうです。
ちなみに歴史あるある勘違いとして、よく時代劇で織田信長が能の『敦盛』で「人生50年~♪」と歌っている場面が多く使われますが、あの能の意味は「人間の寿命は50年」という意味ではなく、「人間界の50年は天界の一日に相当するほど、あっという間である」というものですので、お間違いなく。