「あけましておめでとうございます」という挨拶、実は人ではなく年神様に対しての言葉だった
新年恒例の挨拶「あけましておめでとうございます」
当たり前のように使うこの言葉ですが、よくよく考えてみるといつから使われているのでしょうか。
実はお正月という概念は仏教伝来より古いものの、いつが起源なのかわかっていません。お盆と対をなしており、その半年後にあるのが正月で、お盆と同じく先祖を祀る行事でした。お盆は仏教の「盂蘭盆会」と習合して先祖供養、お正月は年神様を迎える祝いの要素が強くなっていきます。後述しますが、この年神様というのも実は先祖霊のこと。
あけましておめでとうございます、という言葉は人に対してではなく年神様に向かって挨拶する言葉だったのです。
めでたいは「芽出度い」
また「めでたい」という音は「芽出度い」とも表します。
二十四節気の考えでは立春を1月としています。二十四節気とは、紀元前4世紀ごろの中国で発明された、四季・気候などから地球上の一年を仕分ける方法です。その上で立春は正月節ともいい、旧暦では12月後半から1月前半を指しました。
立春は春の到来をことほぐもの。めでたい、には「新しい春を迎え芽が出る」という意味が込められていたのですね。