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「あけましておめでとうございます」という挨拶、実は人ではなく年神様に対しての言葉だった

「あけましておめでとうございます」という挨拶、実は人ではなく年神様に対しての言葉だった

年神さまとは

『古事記』では須佐之男命神大市比売(かむおおいちひめ)の間に生まれた大年神(おおとしのかみ)という神を指しますが、正月にお迎えする年神様は特定の神ではなく、いわゆるご先祖様の霊と考えられてきたようです

古来、人は亡くなってから33年の期間を過ぎると、先祖の仲間入りをするという考えがありました。神となった先祖の魂は便宜上、「祖霊神(それいしん)」と呼びます。

「祖霊神」は子孫の近くの山にすんでおり、下界を見守っています。人々は祖霊神を春になると迎え入れて「田の神」として祀り、秋の収穫を終えると再び「山の神」として送り出すのです。

そして再び正月になると年神様を迎え入れるため、近くの山から採った材料で「門松」を造り、玄関に供えて目印とするのです。さらに秋に収穫した稲の藁を使って「しめ縄」を張り、年神様を迎えるための聖なる空間を作ります。

祖霊神は「田の神」「山の神」「年神様」と季節によって呼び方が変わるものの、元は先祖の霊ということになります。これは仏教とは違う、日本古来の民間信仰の風習です。

3ページ目 鏡餅は魂の依り代

 

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