あなたは区別つきますか?海苔の有無だけではない「もりそば」と「ざるそば」の違い:2ページ目
そもそも「蕎麦」は、初めから今のように麺のような形で食べられていたわけではありません。かつては、脱穀したソバの実(そば米)を雑穀類と混ぜて食べる粒食や,「そば餅」などの粉食、また「蕎麦がき」といって、そば粉をこねて団子状にしたものを焼いたり蒸したりして食べられていました。
それが、今のような麺のようなかたちになったのは16世紀ごろのこと。「そば切り」と呼ばれるようになりました。
そば切りの登場時期は明らかになっていませんが,近江多賀大社の社僧であった慈性(じしよう)という僧侶の書いた『慈性日記』の慶長19年(1614)2月3日のくだりには、江戸の常明寺でそば切りのちそうにあずかったことが記されており、このことを格別珍しがっていないようすからみると、そば切りは、すでに慶長年間(1596‐1615)には普及していたとも考えられます。
やがて、江戸時代に入るとそば切りを提供する蕎麦屋が人気となり、つけ汁につけて食べるという、現在のようなスタイルが広がったと考えられています。