あまり目に留めない「畳の縁」の色柄には、格式や様々な意味があるんです:2ページ目
繧繝縁(うんげんべり・うげんべり)
繧繝というのは、朱・青・緑・紫などの色に濃淡をつけた彩色法のこと。その色に花菱やひし形の文様をつけます。
最も格の高い畳縁で、天皇・三宮(皇后・皇太后・太皇太后)・上皇が用いました。御所にある「高御座(たかみくら)」の畳にもあしらわれています。また、親王(嫡出の皇子・皇孫男子)や高僧、摂関や将軍などの臣下も、准三宮という称号が与えられれば用いることが出来ました。
神仏像や雛人形の親王雛にも繧繝縁の厚畳を敷いている場合があります。「源氏物語絵巻」では匂宮や女三の宮が座している畳は繧繝縁で、臣下が座しているのが高麗縁と描き分けられています。
3ページ目 白地に黒で雲形や菊花紋を描いた大紋高麗縁/小紋高麗縁