昔話の「鬼婆」は実在した?安達が原の鬼婆伝説に隠された悲しすぎる物語とは?:2ページ目
しかし、恋衣は断末魔のきわに明かすのです。「幼い時京都で別れた乳母を探して旅をしてきたのに…」と。そして息をひきとります。
岩手が驚いて恋衣をみるとお守りが目にとまります。それは岩手が旅立つ時、姫に渡した物だったのです。
なんと手にかけた女性は実は何年も無事を願っていた姫その人でした。その姫に渡すために肝は、岩手の手にあります。
こんな悲しい結末ってあるでしょうか。
岩手はあまりの驚きと悲しみに気が狂い、そのまま鬼と化してしまいました。以来、宿を求めた旅人を殺し生き血を吸う「安達ケ原の鬼婆」として広く知れわたることになります。
3ページ目 鬼婆は阿武隈川のほど近くに埋められ、その塚は「黒塚」と呼ばれるように