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妊娠をしたら「岩田帯」と言われる腹帯を巻くのはなぜ?「戌の日」にこだわる理由は?

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古事記にも?「岩田帯」の起源

その「岩田帯」の起源は古く、「古事記」の中にもとめることができます。三韓を征するために出兵する際、妊娠後期であった神功皇后が鎧のかわりに石を挟み込んだ腹帯をつけて出陣したことが起源とされています。

江戸時代、岩田帯を巻くのは五か月目の戌の日がよいと考えられるようになりました。わんちゃんて一度にたくさんの子どもを産みますよね、しかもお産で命を落とすことは少なく軽いです。岩田帯を戌の日に巻くのがよいとされているのは、このわんちゃんにあやかってのことです。

このような出産とわんちゃんを結びつける考え方は他にもみることができ、例えば安産祈願の寺とされる奈良県奈良市の帯解寺の絵馬は、表面にはかわいいわんちゃんがデザインされています。

日本でも太平洋戦争後までは、都市部から離れた農村では近代医療が必ずしも発達しておらず、お産は「産婆」や「とりあげ婆さん」と呼ばれる助産婦によって行われていました。医療技術や医療器具が今より未発達だった時代、お産はまさに女性にとって、命がけの一大事だったのです。また、昔は出産は穢れと考えられていた時期があり、帯を巻くのは穢れの浄化の意味も込められていました。

妊娠中の女性のお腹に帯を巻くという行為は、このような命がけのお産において、母子ともに無事でいてほしい、という家族の願いが込められた風習だったのでしょう。

子安山 帯解寺

 〒630-8444 奈良県奈良市今市町734
JR万葉まほろば線(桜井線)「帯解」駅より北へ徒歩5分
子安山 帯解寺

参考

 

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