不倫も女性拉致もダメ!反逆者の対応はその場の空気で…鎌倉幕府のルール「御成敗式目」51か条を紹介!:2ページ目
第九条「謀叛人(むほんにん)について」
謀叛人の取り扱いについては、あらかじめ式目には定めにくいため、先例やその時の空気によって決めなさい。
一、謀叛人事
右式目之趣兼日難定歟、且任先例且依時議、可被行之
謀叛なんて重大事件だからこそ、その対処(御成敗)について後々トラブルのないよう、あらかじめきっちり決めておいて欲しいものですが、ここではシンプルに「定めない」ことを定めています。
「俺は知らん!その時の担当者に任せた!」……そんな開き直りが聞こえてきそうです。
第十条「殺人・傷害の罪と親子の連帯責任について」
口論や酔った勢いであっても、相手を殺した者は罰として死刑か流刑に処し、財産は没収する。
罪人の親や子について、犯行に関与していなければ無罪だが、仇討ちの場合は一族として利害が一致するため、関与していなくても同罪とする(後略)
一、殺害刃傷罪科事 付、父子咎相互被懸否事
右或依當座之諍論、或依遊宴之醉狂、不慮之外若犯殺害者、其身被行死罪并被處流罪、雖被沒收所帶、其父其子不相交者、互不可懸之、次刃傷科事同可准之、次 或子或孫、於殺害父祖之敵、父祖縱雖不相知、可被處其罪、爲散父祖之憤、忽遂宿意之故也、次其子若欲奪人之所職、若爲取人之財寶、雖企殺害、其父不知之由 在状分明者、不可處縁座
口喧嘩や酔った勢いで、ついカッとなってしまい……などという供述がよっぽど多かったのでしょう。
あえて実例を条文の冒頭に列挙するあたり、血の気の多い荒くれ武士たちに手を焼かされたであろう当局の苦労がうかがえます。
原文には「遊宴之醉狂」などと書かれていますが、ついうっかりでポンポン人を殺さないでいただきたいものです。