小野小町も死んだらドクロ。彼女の遺体が腐乱していく姿を描いた衝撃的な「九相図」の意味とは?:5ページ目
終わりに・同じ髑髏となるけれど
これまで、九相図や小野小町の最期について紹介してきました。
「どんな美女とて、死んだら髑髏」
確かにその通りではあるのですが、せっかく何かのご縁で生まれて、運よく今ここに生きているのですから、それはそれで楽しまなければ命がもったいない、と考えるのが我ら凡俗の人情。
「Carpe diem(カルペ ディエム)」
ラテン語で「その日の花を摘め」を意味する諺ですが、小野小町が後悔を詠んだように、美しく咲き誇る「今」という花を愛で、その香りをかいでこそ、命は輝くもの。
そして、この言葉は「memento mori(メメント モリ。死を忘れるな)」と対になります。
「お前も死ぬぞ」 釈尊
誰もが逃れがたく死を迎え、必ず髑髏となるけれど、生きている今は、あなただけのもの。
どうか、よい人生を。