先日、江戸時代の銭湯は混浴が一般的だったことについて紹介しましたが、公衆の場で異性に裸を晒すことができたことを考えると、江戸時代は今よりも異性の裸に対してはおおらかな文化であったはずです。
痴漢や売春もあった?江戸時代は混浴だった銭湯や温泉はどうして減少していったのでしょうか
夏の終わり…寂しい気持ちにはなりますが、秋が訪れれば、また違った楽しみが日本には沢山待っています。秋から冬にかけて、温泉旅行を楽しみにしている人も多いでしょう。みなさんは混浴温泉に入ったことは…
しかし、異性の裸に対して性的な感情をまったく抱かなかったのか?というとそれは違い、春画のような絵画でそちら方面の欲求を満たしていた事実もあるわけです。江戸時代の庶民にとって、春画はどのような存在だったのでしょうか?現代のエロ本とイコールだったのでしょうか?
人気浮世絵師もこぞって描いた性風俗絵画「春画」
春画とは、性風俗に関する場面を描いた絵画のことで、日本では主に江戸時代に描かれた性描写のある浮世絵作品に対して使われる言葉です。(江戸時代以前にも性描写のある絵画は存在していました。)
春画は当時、浮世絵を企画する版元が、浮世絵師に依頼するかたちで描かれていました。依頼される絵師は売出し中の若手から名の知れた人気絵師まで様々。有名な葛飾北斎や喜多川歌麿なども春画をたくさん描いていましたが、やはり人気絵師の描く春画は別格で、エロを描いていても才能がダダ漏れ。芸術作品とも言える彼らの春画は、現在も高く評価されています。
浮世絵師はいわゆる芸術家であるわけですが、作品は誰かに依頼されて制作することがほとんどだったので、多くの絵師たちは絵を描くことを仕事として割り切っていたでしょう。ですので、人気絵師であっても依頼があれば春画であれ何であれ、お金を稼ぐために描きました。
春画は当時かなりの作品数が制作された人気ジャンルで、描けば良いお金になったわけですね。性風俗を描くことに対して、現代ほどの抵抗は無かったことでしょう。