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蕎麦のざる・もりの違いは?「せいろ」はなぜ上げ底?蕎麦の歴史をおさらい

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ざる・もり・かけ

ではざる蕎麦、もり蕎麦、かけ蕎麦の違いは何でしょう。蕎麦の歴史をざっと振り返ってみます。

  • 寛永20年(1643年)…日本初の料理専門書「料理物語」に蕎麦切り登場
  • 元禄時代(1688年頃)…忙しい肉体労働者などが蕎麦に汁をかけ食べ始める(ぶっかけの原型)
  • 享保年間(1716年~)…深川の「伊勢屋」が竹ざるに蕎麦を盛って提供。たちまち評判に(ざる蕎麦の誕生)
  • 寛延4年(1751年)…新材木町(現在の東京都中央区)の「信濃屋」が汁をかけて食べるやり方を「ぶっかけ蕎麦」として売り出す。その後、「ぶっかけ蕎麦」と区別するため、従来の汁につける食べ方を「もり蕎麦」と呼び始める
  • 天保年間(1830年)…蕎麦屋が団結して値上げを願い出たが却下、蒸籠の底上げが始まる
  • 明治以降(1868年~)…もり蕎麦に海苔をふりかける食べ方が登場。そのため、現在も海苔をかけたざる蕎麦を「もり」と呼ぶ店が多い

こうしてみると、蕎麦自体は変わっていませんが器の違いだったりトッピングの違いでバリエーションが増えていったことがわかります。

蕎麦好きとしては、最初から大盛りで食べたいところですが、伸びきってくっつきあった蕎麦を食べるのも野暮というもの。やはりちょっと少ないなと思ったら、もう一枚お代わりするのがスマートなのでしょう。蕎麦のスタイルはこれからも多様化していくことでしょう。末永くお付き合いしていきたいところです。

参考文献:『塩尻』天野信景著 国立国会図書館所蔵、『守貞謾稿』喜田川守貞著、そばの散歩道

 

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