歴史・文化 - 日本文化と今をつなぐ。Japaaan

雪隠、東司、後架…いくつ読める?いろいろあるトイレの呼び方

雪隠、東司、後架…いくつ読める?いろいろあるトイレの呼び方

東司(とうす)

今でも使われる、禅宗でのお手洗いの呼び方です。京都の東福寺の東司が有名で、日本最古のお手洗い建築物として重要文化財に指定されています。雪隠と同じく、語源の由来ははっきりとしません。

ただ、東司という建物は禅宗の建築様式である七堂伽藍の一つで、鎌倉時代には左右対称の配置となっていました。

七つというのは、仏殿(ぶつでん)、法堂(はっとう)、三門(さんもん)、僧堂(そうどう)、庫裏(くり)、浴室(よくしつ)、東司(とうす)です。

東司の対象には浴室が置かれますが、東司が西の方角に置かれている寺もあるため、「東にあるから東司と呼ぶ」という考え方は安易なようです。もしくは最初は東の方角に建てていたものの、立地条件などで難しかったり、意味が形骸化し左右対象ならどちらでもいいということになったのかもしれません。

また鎌倉時代、東は幕府を意味することから「重要な場所」から転じて密談をする場所という意味かも…?なんて考えすぎですね。

いずれにしても禅宗は厳しい掟があり、東司に入る時間も決まっているそうです。

ちなみに東司を守護する本尊は烏枢沙摩明王(うすさまみょうおう)といい、密教経典などで登場する明王ですが、なんと便所を清めるという功徳があるのだそう。トイレの神様は昔からいたんですね。

後架(こうか)

これまた禅寺で洗面所のことを指します。僧堂の後ろに架け渡して設けられました。その傍らに便所が存在してたことから、便所を指す言葉としても使われるようになったとか。

閑所(かんじょ)

元々は人気のない静かなところという意味から、便所を暗喩する言葉として使用されたようです。武田氏の戦略・戦術を記した軍学書『甲陽軍艦』に武田信玄が閑所をしつらえたという記述があります。

はばかり

「人目を憚る」から来ています。そもそも便所ときいて汚いものを連想してしまうのは至極もっともなので、「ちょっとしたはばかりへ」などと慎み深い表現をすることは、同席している方への配慮ともいえるでしょう。

いかがでしたでしょうか。特に聞き慣れない不思議な語感のものは、禅寺由来の言葉が多かったですね。

他にも手水、ご不浄、お手洗い、化粧室にいたるまで様々な呼称があります。やっぱり便所の響きが一番下品かも!?

 

RELATED 関連する記事