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髪を洗う日も陰陽師の占いだのみ?平安時代のシャンプー事情

髪を洗う日も陰陽師の占いだのみ?平安時代のシャンプー事情

洗髪は吉日を選んで

これだけ髪が長いと苦労するのがシャンプーです。当時のシャンプー事情を「源氏物語」から紹介してみましょう。

女君は御泔(ゆする)のほどなりけり。(中略)「をりあしき御泔のほどこそ、見苦しかめれ。さうざうしくてやながめん」と聞こえたまへば、「げに。おはしまさぬ隙々にこそ例はすませ、あやしう、日ごろ、ものうがらせたまひて。今日過ぎは、この月は日もなし、九十月はいかでかはとて、仕まつらせつるを」と大輔いとほしがる。

「源氏物語」東屋巻(校注・訳:阿部秋生・秋山虔・今井 源衛・鈴木日出男「新編日本古典文学全集」/小学館より))

匂宮は妻の中の君がちょうど洗髪している最中に訪れてしまい、手持無沙汰で退屈だと言っている場面です。中の君の女房は申し訳なさそうに、「今日を逃すともう日がない」と言います。

平安時代は何をするにも陰陽師に占ってもらい、吉日を選んで行動していた時代。外を出歩くにも方角を気にしたほどです。洗髪も吉日を選んで行う必要があり、また9月10月は洗髪を避けるべきとされていました。

このときは8月。今日この日の吉日を逃しては、数か月先まで待たなければならなかったのです。

旧暦8月というと、今の暦に直すとだいたい9月から10月上旬ごろです。洗うのは大変ですが、9月10月を避けるというのは寒くなる前に済ませておくという意味もあったのでしょうか。

身長より長い髪なんて水を含むだけで重くなって大変で、ドライヤーもない時代は乾かすのも一苦労だったことでしょう。

 

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