雪の日、お江戸の人はどうしてた?浮世絵で江戸時代にタイムトリップ:パート1:3ページ目
チームプレーで大作の雪像に挑む
こちらはなんと、巨大ガマを作っています。ガマといえば「善知鳥安方忠義伝(うとうやすかたちゅうぎでん)」。大人気作家の山東京伝が読本を書き、歌川国芳などの人気絵師がそれを題材に多くの浮世絵を描きました。同作に妖術を使えるガマ仙人が出てきますが、果たしてこの雪だるまはそのガマ仙人なのでしょうか。少し絵心のあるお兄ちゃん、紅の絵の具まで持ち出して、平筆で絵付けするなんて本格的。
ちなみに右奥に見える石灯籠は「雪見灯籠」と言います。名前の由来は広げた傘に雪が積もった形に似ているからだとか、そうじゃないとか。由来はどうあれ、広い笠に真っ白な雪が積もって、風流なものです。
大人は雪かきに精を出す
不忍池の弁財天も真っ白です。子供は大喜びでも、大人には雪かきという大仕事が残っています。憂鬱になるのは今も昔も同じだったようです。手前の方で文句も言わずせっせと門前の雪かきする男衆さんたち。腰を痛めないよう、足を開き腰をぐっと沈めて雪かきする姿は、とても頼もしく感じられます。
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