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古事記や日本書紀では物足りない?そんな人に贈る日本神話が記された古典ベスト3

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3.不屈の老臣が残した意欲作!『神皇正統記』

室町幕府が成立した時、朝廷・皇室が二つに分かれて南北朝時代が訪れますが、その時も日本神話を収録した歴史書が著されました。それが『神皇正統記(じんのうしょうとうき)』で、著者は北朝と室町幕府に敗れた南朝の重臣・北畠親房(ちかふさ)です。

この歴史書は親房が幼い君主である後村上天皇のため、南朝が正統であると言う理念のもとに日本神話から始まる我が国の歴史を、仏典(インド)や漢籍(中国)と言った諸国の伝承と比較しつつ説いて行く珍しいスタイルと言えます。

なお、親房は神話から続くとされる皇室の歴史を説き、朝廷の徳によって理想的な世の中が訪れることを願って『神皇正統記』を記したわけですが、幕末や近代では武力行使を主張する人々による政権を正当化するために用いられると言う皮肉な運命をたどりました。親房氏も、さぞあの世で悲しんでいたことでしょう。

以上が日本神話を収録した古典のベスト3でしたが、実はこの他にも色々あるのです。平安時代の神道資料『古語拾遺』、聖徳太子の著作とされる『先代旧事本紀』などは今でも神道、神話の研究に使われる書物です。

また、真偽をめぐる論争を呼んだ『竹内文書』『ホツマツタエ』のように各地に伝わる伝承も含めれば、神話を収録した古典は膨大な数になります。なお、本項で紹介した3点の古典は現代語訳も広く出回っているので、興味のある方はぜひご一読をば。

※画像:北畠親房像 ウィキペディアより

 

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