[動画で楽しむ落語] 背筋がゾッと寒くなる、真夏に聴いてみたい怖い落語4選
現在、大ブームの落語。今回は落語の中でも背筋がゾオッとするような、夏にぴったりの怪談落語をご紹介します。真っ暗な部屋で一人、布団をかぶり目を閉じて聞くと、なおいっそう怖さが増します。
もう半分
幕末から明治にかけて活躍した稀代の名人、初代三遊亭圓朝作の怪談。
とある居酒屋に、変わった飲み方をする常連の親父がいました。一合の酒を一度に頼まず、はじめに半分の5勺を飲みきってから、「もう半分・・・」と残りの5勺を頼むのです。この客と居酒屋の夫婦をめぐる怪奇物語。題名でもある「もう半分・・・」の台詞、覚えておいてください。最後にきっと背筋が凍ります。
古今亭志ん朝「もう半分」
牡丹灯籠
先述の初代三遊亭圓朝が25歳で作った超有名怪談がこの「牡丹灯籠」。中国の怪奇小説なども参考に作られた傑作です。
浪人の新三郎は旗本の娘・お露と出会い、恋に落ちます。しかし、知人からお露は死んだと告げられます。お露が牡丹灯籠を提げて夜な夜な下駄をカラン・・・コロン・・・と不気味に鳴らして家に近づいてくるシーンはあまりにも有名。恋人が幽霊になってしまったとしたら、あなたならどうしますか…?
柳家喬太郎「牡丹灯籠より お札はがし」
真景累ヶ淵
血縁と因果が渦巻く長編名作。按摩の宗悦が旗本に斬り殺されたのが話の発端。有名な「豊志賀の死」の段が非常に恐ろしい。
豊志賀は、宗悦の長女で清元の女師匠。最初は、良い仲になった若造・新吉と年増の豊志賀のやりとりが笑えますが、豊志賀が病気に罹ると、愛情深かった豊志賀の声が徐々に嫉妬と憎悪の滲む恐ろしい声に・・・。
近年で全場面を演じきったのは桂歌丸師匠だけとのこと。ぜひ時間のある夏休み中に全編チャレンジしたいものです。また、豊志賀の演技に思わず聴き入ってしまう古今亭志ん朝版もおすすめです。
古今亭志ん朝 「真景累ヶ淵より 豊志賀の死」
番外編
お菊の皿
怪談落語の聞きすぎでトイレにも行けないほど怖くなってしまったら、この話でお口直しをしましょう。舞台は「番町皿屋敷」の番町。最近は「美人過ぎる◯◯」がよく話題として取りあげられますが、もし「美人過ぎる幽霊」が現れたら、世間はどうなるでしょうか?一見怪談風ですが、聞いていくうちにどんどん面白くなってゆきます。
落語でヒヤリとした後は、やっぱり落語で恐怖を笑い飛ばすのが一番ですね。
柳家三三「お菊の皿」
あまりの怖さに寝付けなくなった方は、柳家喬太郎師匠のおもしろ落語まとめで気分をリフレッシュしてみましょう。