美女と豪華絢爛なひと時を!江戸時代の遊郭ではどんな料理が出されていたの?:2ページ目
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遊郭の夜グルメは、お寿司とゆで卵?
台の物が目を楽しませるグルメならば、舌と胃袋を満足させてくれるグルメと言うのが、アジやコハダを使った寿司でした。川柳に『あじのすう こはだのすうと にぎやかさ』と詠まれているように、遊郭とくに吉原では江戸前の青魚を用いたお寿司屋さんが売り歩きをしていました。
この寿司は、握り寿司メインで『スシ』と言いながら売られた江戸市中の屋台とは異なり、アジやコハダの押し寿司を『すぅ』と優し気に売り込みながら、各店にセールスをしていた独自のスタイルでした。
そして、『今宵の一番勝負』に臨もうとする男子諸君に人気だったのが、ゆで卵です。『長屋の花見』で卵焼きが買えない話があるように、当時の卵は滋養豊富な高級品であり、本番の前に食する遊び人も多かったと言われています。
このように、遊郭は『飲食も非日常的』な愉しさをお客様に提供し、もてなす場所でしたが、遊女など働いている人々は、仕事がない時は普通の町人のように棒手振りの惣菜や漬物でご飯を食べていました。これは意外ですね。
また、『台の物 うしみつ頃に ごうそごそ』と詠まれているように残り物が貴重な役得になるなど、夢の晴れ舞台を演出した遊郭の人々も食生活は案外質素で、現実に戻るとたくましく生きていたのです。
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