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ルパン一味の家紋も制作!? 家紋の歴史を絶やさない…紋章上絵師・波戸場承龍さんインタビュー

ルパン一味の家紋も制作!? 家紋の歴史を絶やさない…紋章上絵師・波戸場承龍さんインタビュー:2ページ目

江戸時代、家紋は人々にとって身近な物でした。身の周りの物に家紋を施すことは日常的なことでしたが、現代は家紋への意識は薄れ、知らない人も多いです。千年の歴史ある日本文化を絶やしたくない、という思いから、日常の物に家紋を落とし込むことをしています。例えば、グラス屏風などですね。

また2000年から、私自身も着物を着始めるようになりまして、2015年の秋より、本格的にユナイテッドアローズで男着物の展開を始めました。どんなことでも、依頼があればお受けするスタンスで仕事をしています。なんでも言ってください!」

--京源さんのお仕事で、具体的な事例をうかがってもよろしいでしょうか?

「皆さんの目に触れる機会が多いものですと、COREDO室町(商業施設)のロゴでしょうか。COREDO室町、COREDO室町2、COREDO室町3、それぞれの紋をデザインさせていただきました。それから、クリネックスのティッシュペーパー「極」のロゴ。イベントでは、東京江戸ウィークやアートアクアリウムのロゴをデザインさせていただいてます」

--COREDO室町のあの暖簾の紋が、波戸場さんのお仕事だったとは! この黄金のボックスティッシュも、家紋のデザインが加わることで、品質へのこだわりや高級感が伝わってきます。どのお仕事も和のイメージが強いですが、波戸場さんに家紋の制作を依頼される方というのも、やはり伝統芸能に携わっていらっしゃる方なんでしょうか?

「伝統芸能に携わる方に限りません。お母さんから息子さんにというケースもありますし、歌手の方、デザイナー、企業の社長さんから、個人の紋をご依頼いただくこともあります。最近ではフランス・イギリス・オーストラリア・香港・スペインの紋章を持っている方が結婚式で黒紋付を着られるのに当たって、作らせていただいたり。様々な方からの依頼がありますよ」

--最近は、どんな方の家紋をデザインされたんですか?

「落語家の春風亭一之輔さんの新しい紋です。ご本名を川上隼一(かわかみとしかず)さんとおっしゃるので、隼(ハヤブサ)の紋にしようと考えました。もともと使われていらっしゃったのが中陰光琳蔦で、中陰光琳繋がりで、鶴の紋があります。それを隼でデザインしました。隼は嘴に特徴があるので、わかりやすい形に整いました。それから一之輔さんにちなんで、漢字の「一」を忍ばせて。

紋はシンプルな形の中に沢山の意味が込められています。江戸時代、判じ絵が流行しましたが、粋な謎かけも、紋をデザインする上で大事な要素になります」

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