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今も昔も旬には目がない?女房を質屋に置いてでも旬モノに夢中だった江戸時代
旬のモノといえば…今でいうとボジョレヌーボーでしょうか、毎年解禁になると話題になりますよね。ただ、一般的には季節問わず、食べたいものを食べたいときに食べられる世の中になったので、食だってスマート。
でも、江戸時代は、その季節にならないと食べられないものがほとんどでした。だから、旬の食べ物を一早く食べることで、人に自慢ができるという時代だったのです。
初物で有名なのは、鰹。女房を質屋に置いてでも食べたいモノと言われたとか。少し待てば、江戸近海に鰹が押し寄せるため、安く買えるようになるのですが、江戸っ子はそこまで待てません。とにかくいち早く初物を手に入れたいのです。これは鰹に限ったことではないようで、大金を払ってでも、初物を食べることが、一つのステイタスのようになっていたんですね。
ステイタスといっても、なんだか、ほほえましい感じがしませんか?仮に、初物をいち早く手に入れても、自慢だけして独り占めするというわけでもないのです。(もちろん、そういう人も中にはいるかもしれませんが)例えば、長屋の壁をトントン叩いて、お茶椀を持ってこいと合図して、お隣さんを家に呼んだりと、情に厚く、太っ腹な所が江戸っ子の魅力なのです。
ちなみに、江戸時代の人たちは、女房を質屋に入れてまで食べたい鰹をどうやって食べていたのでしょう?当時は芥子(からし)をつけて食べていたようです。または、芥子味噌や芥子酢をつけたりと、とにかく芥子と鰹がセットだったのですね。今のように、おろし生姜で鰹を食べていませんでした。
芥子味噌というのは、すり鉢で味噌を擦ってから芥子を混ぜたもの。鰹が手に入ると、この芥子味噌を作るので、すりこ木が黄色くなるんだとか。すりこ木が黄色い家ほど、鰹をたくさん食べているということでしょうか?
旬のものをいち早く食べて、季節の移り変わりを感じていた江戸時代。女房に旬のものを食べさせたい、いいところをみせたいという男心が一番表われるのが、鰹だったのかも。機会があったら、今度鰹に芥子をつけて食べてみてくださいな。江戸に思いを馳せながら。
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