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改めて「やまとなでしこ」は絶滅危惧種なのでしょうか?

改めて「やまとなでしこ」は絶滅危惧種なのでしょうか?

ロンドンオリンピックが終わり、今年の夏も終わろうとしています。しかし五輪が終わっても、なでしこジャパンの人気はスゴイものです。

「やまとなでしこ」という日本女性の美称は、雑草でありながら可憐な花を咲かせる「カワラナデシコ(別名ヤマトナデシコ)」の姿から、美しく控えめに、それでいて辛の強さを持つという日本女性の理想像を表した言葉です。

特にこのような女性像を要求されたのは、女性が家に縛り付けられていた江戸時代。日本の長い歴史の中でも、特に江戸から戦前までの女性たちは、今からは考えられないような奴隷のような生活を送っていました。

親が決めた婚家に嫁いでからが、「なでしこ」の試合の始まりです。夫はもちろんのこと、同居の舅姑・小姑たちへの絶対服従。しかも便利な家電はありませんから、家事はものすごい重労働です。

一日の始まりは水汲み。5キロの米を何往復も運ぶようなものです。それから飯炊き・洗濯・裁縫と一日中過剰労働は続きます。この上農村では農作業の合間にこうした家事労働を行います。ハーフタイムなどありません。

これらの重労働を「姑」という監督の管理下で行うわけで、その主婦としての権限を移譲されるまでの長い期間は、彼女たちはどんなに辛くてもババアに歯向かうことを許されません。

寡黙な召使としての日々が何十年も続きます。仕上がっているころには、もう完全に腰の曲がったババアです。新たにやって来た息子の嫁を例外なく虐めるに決まっています。

しかも「三年にして子なきは去る」ですから、子どもを産めない女性はレッドカードを突きつけられて退場です。

うーむ、こんな過酷な状況で生きていくために「やまとなでしこ」という「控えめかつ辛抱強く」という規範ができたのはうなずけます。こんな状態で生成された「やまとなでしこ」は絶滅して当然です。

 

しかし同じような時代、すでに欧州ではマリー・アントワネットが「パンが無ければお菓子を食べたら?」と天然ボケのギャルみたいな発言をしていた考えると、日本はつい最近まで「やまとなでしこ」の土壌が存在していたと言っていいでしょう。

ロンドン五輪での行きの飛行機がサッカー男子がビジネスクラスだったのに対し、女子はエコノミーでした。この状況、欧米の女子なら確実に「レディーファーストよ!」と言って暴動を起こしていたに違いありません。

エコノミーでも確実に試合をこなし、決勝で負けてしまった後も明るくピッチに現れた「なでしこ」は、やはり江戸のなでしこのDNAを持つ「やまとなでしこ」と言っていいのではないでしょうか。

ヤマトナデシコ

 

 

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