【風、薫る】「私はファイターだって」大山捨松、暴言軍人を一喝!看護婦の名誉を守った史実と名場面:4ページ目
新聞や雑誌に取り上げられ人気職業となった看護婦
捨松効果で、「看護婦が患者とねんごろに」というデマ記事を書いていた新聞はあらためて『戦傷病者を救はむと昼夜奮闘 國を支ふる看護婦たち』というタイトルでの記事を出しました。
「広島陸軍病院に入院中の患者より、看護婦の働きぶりを正しく理解されたしとの当初がかず多く寄せられたり」という内容のです。
あのイキリ上官やその手下が、反省して書いたのでしょうか。
この記事は、多江たち篤志看護婦だけではなく、現在派出看護婦として働いている女性たちにも勇気と元気を与えたようです。
実際、看護という概念自体がなかった明治時代、見ず知らずの患者の体を触ったり排泄の世話をする看護婦の仕事は「賎業」とさげずまれたり、下女扱いされていました。
けれども、日清・日露戦争で日本赤十字社の看護婦などが軍の病院に派遣され大きな活躍をしたことから、新聞や雑誌に取り上げられ、看護婦は女性のあこがれの仕事へとなっていったそうです。
まさに「ファイター」の称号に相応しい大山捨松
史実の大山捨松は、日本で初めての女子留学生で、大学では日本女性として初の「偉大な名誉」の称号・学士号を与えられた人です。
大山巌との結婚で「権力」を手に入れながらも、そこに甘んじることなく、日本に看護の道を開き、女子教育に尽力し、さまざまな慈善活動に奔走……と、簡単にその活躍ぶりを書いただけでも、「ファイター」の称号に相応しい人物といえます。
ドラマの中でも、夫の「権力」に寄りかかるのではなく、まさに弱気を助け強気をくじくために、わざわざ困難な現場にでていく多部未華子さん演じる捨松は、痺れるほどかっこいいですよね。
捨松は166年前にこの世に生を受けた女性ですが、自分の権力を弱者のために正しく使う姿は、まさに現代を生きる人間こそ見習うべきだと思いました。
参考:
・日本赤十字社『赤十字 名所紀行vol.1』
・日本赤十字社「日赤初のボランティア組織【篤志看護婦人会発起人名簿】」
・広島文化学園大学リポジトリ
看護学統合研究 日本初のTrained nurse” 大山捨松の生涯とその時代の伝染病対策及び女子教育 (広島文化学園大学看護学部・看護学研究科 佐々木秀美)
