【風、薫る】「私はファイターだって」大山捨松、暴言軍人を一喝!看護婦の名誉を守った史実と名場面:3ページ目
「女のくせに!」な暴言イキリ軍人を黙らせた捨松
ドラマでは、小松宮妃が患者の兵士たちに声をかけ退室した後、捨松は再び病室に戻ってきました。
看護婦が、患者に触れて脈や熱を測るという“看護”の仕事をしているというのに、「軍人に女がさわるな〜!」と怒鳴り散らしたイキリ男が誰かを偵察にきたのでしょう。
ちょうど多江は、具合の悪い若い軍人の看護をしていました。
案の定、上官らしきその男は、いやらしい目をしながら部下に合図をして「いよっ!お二人さん、おやすくないねえ」など揶揄させます。
ガキかよっ!…と目の前で面罵してやりたいほど、しょうもない幼稚ないじめ。言いなりになって嫌がらせをしている部下たちも情けなさすぎる。けれど、捨松がその場面をしっかり観察していました。
捨松様の目がキラっと光ります。「なるほど、こいつね?」といった表情。多江に「私をうまくつかえばいいわ」と、俠気のある言葉。
さらに、医師らの静止を振り切り看護婦のエプロンをして病室に入り、具合が悪いのにイキリ上官らからいじめにあっている例の若い軍人患者に毛布を差し「寒くありませんか」と声をかけました。
「その…」と言い淀む彼に、「そうですね。看護婦が親しげに入院中の傷兵に話しかけますと、何を新聞に書かれるか分かりませんものね」と、イキリ上官をちらりとみつつ、さらりと嫌味をいいます。
さらに「看護婦が患者を見て手で触れて話をして患者の状態を観察することが大切なのです」と彼の体を触りつつ、この行為は“看護”という仕事なのだということをアピールします。
さらに、「ファイター」らしくイキリ上官をロックオン。
目の前に近づきつつ、「看護婦の仕事を妨げることは、戦った傷兵の命を軽んじること、ひいてはこの国の国力を落とすことだと心得てください。」と丁寧に、けれども有無を言わさない圧倒的に威厳のある様子で語りかけます。
ぐうのねも出ないイキリ上官。
「軍人は名誉を重んずると聞きます。どうか昼夜の別なく患者のために手を動かし、額に汗する看護婦の名誉も尊重してください」
と、ダメ押し。
陸軍大臣夫人・捨松のこの言葉には、もう誰もなにも言えないでしょう。
“看護とはなにか”までは理解できなくても、「名誉を重んじる“はず”の軍人なのに、子供じみた嫌がらせで悦にいっている己を恥じたのではないでしょうか。
