【豊臣兄弟!】光秀・秀吉、涙の茶室。“主”は違えど忠義は同じ…始まる豊臣の「天下への道」:3ページ目
「自分が上様を死に追いやった」という後悔
仏間と見られる狭く暗い部屋の中で、光秀をもてなす茶をたてる秀吉。
信長から「毛利を倒した暁には茶会をしよう」といわれていたので練習をしていたのでしょう。
そして、静かに「教えてくだされ。なぜ?上様を討った。信澄様と手を結んでおられたのか」と聞きました。
光秀は「こたびのことはわしがひとりで決めたこと。たまたま好機に巡り合っただけ。」と否定します。
「安堵致したか?わしからその言葉を聞きたかったのだろう。上様が死んだのはおのれのせいではないと思いたかったのだろう。」
「その通りじゃ。お前などかかわりなきこと。思い上がるでないわ。やったのはわしじゃ。わしの手柄じゃ」と激昂します。
何もかもお見通しの光秀。この言葉は、共に戦ってきた秀吉への思いやりなのか。それとも、愛する上様の名前や花印を真似て自分を利用した信澄は許せないのか。
「なぜでござりまする。あと一歩で上様の望む新しき世となったのじゃ」と、涙ながらに光秀に訴える秀吉。頬には滂沱の涙が。
「わしが生涯お仕えしたかったのは…公方様だけじゃ」
激昂した様子だった表情が緩み肩の力が抜けたように見えた光秀は、心の底を明かしました。
「わしも一度は上様の作る世を信じようと思った。しかしだめであった。」
「わしがみたかったのは、足利義昭様の世じゃ。わしが真におつかえしたかったのは生涯ただひとり。公方さまだけじゃ」
涙ながらに語る光秀。
「信長に奪われたものを今一度取り戻したかった……」といい、無言で涙を流し続ける秀吉を見て、ふっと軽くため息をつき、笑顔を見せてから「悔いてはおらん、羽柴どの 存分に恨みを晴らすがよい」。
その茶室での最期のカットが、冒頭で触れたように、仏像の手が九品往生のなかでも最上級の「上品上生」(下の写真の仏様の『手』)の形になっていたのも印象的。
まるで、光に包まれたように見える光秀は、死してすぐに極楽浄土に行くよう、阿弥陀仏が約束しているかのようでしょた。
4ページ目 「あの人が作る世がみたかった」の言葉に決意する秀吉

