朝ドラ『風、薫る』「私たちは医師の部下ではない」ナース4が病院に突きつけた“看護婦の誇り”と改革の一歩:3ページ目
『医師と看護婦は車の両輪の如し』
原案小説では、大関和・鈴木雅・桜井里いの3人は先人の経験談を聞こうと、元海軍軍医総監・高木兼寛が創設した、東京慈恵会医科大学の看護婦取締の松浦里子という女性を訪ねます。
「院長の高木は『医師と看護婦は車の両輪の如し』と言っている。どちらもかけてはならないということです」
と教わります。
「ナイチンゲールも『看護婦はどこまでも看護婦であり、医師でもなければその助手でもない』と書いてます」
と大関和も応えていました。直美のセリフを彷彿させますね。
原案小説の中で、鈴木雅は
「(看護婦の)献身といった曖昧なものは評価されづらい。報酬に反映されない献身が当たり前のように求められるようになったら看護婦にとって負担になる」と考えていました。
看護婦・看病婦を自分より「下」に見ている男性医師が多かった時代なので、「雑用でもなんでもやってくれる存在」だと勘違いしている人も。
『医師と看護婦は車の両輪の如し』……医療者以外の仕事の現場などでも当てはまりますね。
「看護講習」は虐げられてきた看病婦も歓迎
原案小説によると、英国式の真っ白なユニフォームを着たトレインド・ナースの颯爽とした働きぶりに「こんな女性たちに監督を受けてはたまったものではない」という人がいたものの、若い看病婦たちは憧れる人もいたそうです。
その一人が、武藤ミネ。今回クローズアップされた、三浦ツヤ(東野綾香)のモデルです。
20歳の看病婦の武藤ミネは、田舎に仕送りするために働いているけれど「このままでは何も身につかない。一生看護婦として誇りを持って働くため専門的な知識をつけたい」と希望します。
(ドラマの三浦ツヤも、「専門知識を付けて看護婦になりたいと決意した」と言っていましたね。)
実際、大関和は、瀬尾原始らに頼み込み、医師や取締が講義や実習指導を行う「看護講習」を行うことになり、若い看護婦だけではなく年配の看病婦たちからも歓迎されます。
長年、下げずまれてきた看病婦こそ「看護」を学んでその上に進みたかったそうです。
看護の仕事だけではなく、「熱い思い」で看護婦を育成目指して頑張る大関和は、看護婦取締になって1年が経つ頃には、そのスキルや信頼される人柄などで医療界で有名人になっていきました。

