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『豊臣兄弟!』さらば半兵衛…風に舞う桜吹雪が「大義であった」と労った天才軍師の最期を史実と共に考察

『豊臣兄弟!』さらば半兵衛…風に舞う桜吹雪が「大義であった」と労った天才軍師の最期を史実と共に考察:3ページ目

生まれた「命」を抱き「命」を葬れなくなる

半兵衛の行為を止めに長浜城に駆けつけた小一郎と半兵衛。けれども慶が産気づいたために一時休戦します。

無事に初の女児が誕生し「抱いてくだされ」と頼まれ、おずおずと壊れ物を抱くように赤子を抱く半兵衛。おそるおそる赤子をあやすうち、突然顔を歪ませてボロボロと大泣きし泣き崩れてしまいました。

こんなに感情をむき出しにした半兵衛は初めて。

そして、「私の負けでございます。あの子を抱いた手で子を殺めることなどできぬ」と、松寿丸を匿うことを決めました。

すがすがしいさすら感じる小一郎と笑い合う場面がよかった。

史実では、半兵衛には妻も子もいました。けれども、ドラマ内では登場せず、まるで女性や家庭に興味がないように描かれていました。

たぶん、この回で半兵衛が赤子を抱いたときの「泣き崩れるほどの衝撃と感動」を印象深く描くためだったのではないでしょうか。

「最も手強き相手でもっとも面白き戦い」

松寿丸の“首”(身代わり)を差し出しに信長のもとを訪れた半兵衛。

首を見た信長は「丁重に葬り供養させろ」といいます。そして「損な役目をよう引き受けた」と。

「これまで戦った中で、最も手ごわき相手でござった。そして、最も面白き戦でござりました」と半兵衛は答えました。

“相手”とは誰?“面白き”とは何?

半兵衛にとっては、突然の水入りとなった赤子かもしれません。

時間もタイミングもその場の空気も読まない。突然この世に『命』として誕生し、唯一無二の絶対的正義として圧倒的にその場を支配する。

そんな赤子の誕生はいかに天才軍師でも予測もできず、オロオロして自分の感情も支配された……そんな赤子こそ「手強い相手との面白い戦さ」だったのでしょう。

信長は“首”は身代わりとわかっていたような気がしました。「裏切りの代償に斬首し見せしめにする」のであれば、さらし首にする、磔にするなどもっと残虐な方法をとっていたのでは。

身代わりの子と分かったために「丁重に葬り供養させろ」と言った気もしました。

「上様、これでお別れでござりまする」と挨拶をする半兵衛に「大儀であった」と、労う信長。

この言葉にすっと背筋を伸ばし、信長の目を見つめて微笑み頭を下げる半兵衛。最期の作戦を無事にやり遂げた達成感が漂っていました。

4ページ目 もっと豊臣兄弟や仲間と一緒に生きたかった

 

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