『豊臣兄弟!』さらば半兵衛…風に舞う桜吹雪が「大義であった」と労った天才軍師の最期を史実と共に考察:2ページ目
「荒木村重は裏切る男、説得など意味がない」
さて、ドラマでは秀吉の陣にもたらされた「荒木村重(トータス松本)謀反!」の知らせに、黒田官兵衛(倉悠貴)は単身説得に出向こうとします。
「行ってはならん」と声を荒げ、「すぐにまた裏切る。荒木村重とはそのような男じゃ。」という半兵衛。来週からの伏線になりそう。「弱いから土壇場で裏切る男」と見切っていたのでしょうか。
好き嫌いではなく「人物の本質を見定める目」は確かでした。
案の定、官兵衛は説得に行ったまま村重に捕えられ、その上「官兵衛が裏切った」と噂まで流されてしまいます。(二人の場面でやたら茶道具が映り込むのは、有名な逸話「村重は茶道具を持って逃げる」前振りなのでしょうか)
そこに、信長から「官兵衛の子松寿丸は斬首」の命令が届きました。
半兵衛は「病で亡くなった子を身代わりにして『首』を差し出し、松寿丸は私が匿う。」と申し出ます。
ここまでは史実として伝わる話と同じなのですが。
前回、「幽閉された黒田官兵衛、息子に処刑命令…」という記事で、この出来事を書きました。
「半兵衛は家臣に松寿丸を預け、その子の遊び相手だった子を身代わりに斬首しその首を信長に差し出す」と伝わるのですが、ドラマでは半兵衛は松寿丸を殺す気でした。
信長の命に従ったほうがこの先羽柴家にとってのリスクはない……最期のご奉公「自分が子殺しの罪を背負おう」と心に決めたのでしょう。
豊臣の女たちの子供っぽい罠はオマージュ
松寿丸を殺す気で羽柴家が住む長浜城に乗り込んだ半兵衛は、寧々(浜辺美波)や臨月の慶(吉岡里帆)らが松寿丸を逃そうとしているのを察知。
城内を探しまくる半兵衛を、廊下にばら撒いた亀・頭から落ちてくる着物・襲いかかる瓢箪の鳴子・たわし・かかし・米櫃戦車など、女性陣が仕掛けた奇天烈な小道具が襲います。
SNSでは「このドタバタシーンはいらない」「子供の学芸会か」という声も。映画『ホームアローン』で泥棒から逃げる子供が仕掛けた罠を彷彿します。
けれど、これぞまさに竹中半兵衛。
昔、彼の草庵の周囲にも、鳴子をぶら下げた縄、扉を開けると飛んでくる矢の仕掛けなどいろいろな罠が仕掛けてありました。実は、半兵衛はこういう罠が好きだったのでしょう。このシーンは「半兵衛の草庵」へのオマージュだと思います。
草庵の内部も、絵地図・城の模型など「独りが大好きな諸葛孔明オタク」ぶりがよく描かれていました。著名人のわりに実態を書き記した史料が少ない半兵衛。
実際は分かりませんが、いかにも引きこもりの半兵衛らしい住まいでしたね。
半兵衛は、城内にいる松寿丸を探しつつ豊臣の女性陣との「戦さ」を楽しんでいるようでした。

