意外と女性が有利だった!江戸時代の離婚は“夫の人生”を吹き飛ばす超ハイリスク行為だった:2ページ目
三下り半の本当の役割
ところでいわゆる三下り半は、離婚の証文として重要な役割を持っていました。この三下り半という書類の名称は知っていても、具体的にどのように機能していたかを知っている人は少ないでしょう。
そこには、妻が誰とどこで再婚しても夫は文句を言わないという文言が添えられており、これが離婚の証拠となります。
夫がこの証文を出さずに別の女性と再婚すると、前述のように所払いとなり、生活基盤を失うことになります。三下り半は、夫にとっても身を守るための書類だったのです。
一方で、貧しい長屋の女性は持参金や嫁入道具が少ないため、夫は比較的気楽に三下り半を出せたと考えられます。
それでも、夫が妻の物を無断で質入れした場合など、明確な理由があれば妻の実家から離婚を申し立てることができました。
夫の浮気や甲斐性なしという理由だけでは離婚は認められませんでしたが、財産に関する権利は強く保護されていたのです(もちろん、当時は「権利」などという言葉がありませんが)。
とはいえ、女性側にも厳しい規定がありました。離縁状を受け取らずに再婚すると、髪を剃られて実家へ戻され、仲人も罰金を科されたのです。