手洗いをしっかりしよう!Japaaan

朝ドラ「風、薫る」尊王攘夷の志士が国際結婚…千佳子の夫・和泉元彦のモデルとされる三宮義胤の生涯

朝ドラ「風、薫る」尊王攘夷の志士が国際結婚…千佳子の夫・和泉元彦のモデルとされる三宮義胤の生涯:3ページ目

男爵への叙任

要職を歴任してきた義胤に、長年の功績が報われる時が訪れます。

明治29(1896)年、義胤は男爵に叙任。幕末の功績や明治政府での官歴、宮内省での働きが評価された結果と見てよいでしょう。

「風、薫る」では、和泉元彦(義胤がモデル)が「侯爵」として描かれていましたが、史実の三宮義胤は男爵です。

爵位は上から公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵と続きます。男爵は一番下だ、と思われるかも知れません。

しかしいずれも華族として扱われており、学習院を中心とする教育面での優遇や、貴族院制度との関わりがありました(ただし男爵は自動的に貴族院議員となるのではなく、同爵者による互選で選ばれる仕組みでした)。

しかし義胤は、叙爵後も変わらず職務に精励していきます。

結果、宮内省式部長として10年余りを務めました。この時の明治国家は、条約改正、日清戦争、国際儀礼の整備など、外へ向かって国家の姿を示す時代に入っていました。

そのなかで義胤は、かつて幕末の志士でありながら、国際儀礼を担う宮内官僚として働き続けたのです。

明治38(1905)年8月14日、義胤は世を去りました。享年62。

近江の寺院に生まれた青年が、尊皇攘夷を志して生き、その先に新時代の官僚として花開き、愛する人を外国から迎えた…

数奇でいて、移り変わりが激しいものの、そこには幕末から明治を経験した日本人の価値観そのものが詰まっています。

三宮義胤の生涯は、幕末の情熱と明治の国際化をつないだ、静かな架け橋のような歩みだったと言えるでしょう。

※朝ドラ「風、薫る」関連記事:

朝ドラ【風、薫る】どこまで史実?忠実に再現された手術シーンが話題…白衣も手袋もない明治時代の病院描写

NHK朝の連続テレビ小説『風、薫る』。見習い看護婦たち“ナース7”の活躍の舞台は、養成所から帝都医大病院(現在の東京大学病院)に移ったため、当時の看護職に対する偏見や差別など「厳しい現実」に直…

朝ドラ「風、薫る」新宿中村屋を築いた波乱の実業家!丸山忠蔵(若林時英)の実在モデル・相馬愛蔵の生涯

朝ドラ「風、薫る」には魅力的な人物が数多く登場します。若林時英さんが演じている、直美が実習で受け持っている患者・丸山忠蔵もその1人です。モデルとなったのが、明治から昭和を生きた実業家で、新宿中村屋創業…

朝ドラ【風、薫る】りんが向き合う“気高き患者”…和泉千佳子(仲間由紀恵)の実在モデル・三宮八重野の実像

NHK朝の連続テレビ小説『風、薫る』。第7週のテーマは「届かぬ声」でした。トレインド・ナースの卵たちが出向いた実習現場「帝都医大病院」では、古い「差別」や「偏見」が溢れていました。一生懸命頑張…
 

RELATED 関連する記事