江戸時代は“暗黒時代で悲惨”は誤解!世界と比較して見える日本社会の驚異的な安定:3ページ目
豊かな「人口百万人都市」
江戸時代の豊かさを裏付けるもう一つの決定的な指標が、世界屈指の人口規模です。江戸は世界で初めて人口百万人を突破した巨大都市であり、日本全体の人口密度も極めて高いものでした。
人口が爆発的に増え、かつ維持される社会は、食料供給と生活基盤が極めて安定している証拠です。これは一部の特権階級だけでなく、一般の民衆も一定の生活水準を保てていたことを意味します。
農業生産力の向上や治安の安定、さらには地域社会の強力な協力体制が、この繁栄を支えていました。江戸時代は決して停滞した暗黒時代ではなかったことが、改めて理解できるでしょう。
そうした江戸時代暗黒説のイメージは、明治政府や戦後の教育が旧体制を否定するために作り上げた部分が大きいです。新しい時代を正当化するために、あえて過去の時代を「悪役」に仕立て上げる必要があったのです。
しかし、当時の統計を丁寧に読み解けば、江戸時代がいかに持続可能な社会であったかがわかります。世界中のどの国よりも平和で、かつ安定した生活が、日本の各地に広がっていたのです。
この安定した基盤があったからこそ、明治時代以降の急速な近代化も可能になったのです。
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参考資料:
大村大次郎『脱税の日本史』宝島社、2024年
画像:Wikipedia,PhotoAC


