『豊臣兄弟!』直(白石聖)の孤独と別れの予感…“家族の輪”に入れなかった直は豊臣秀長の原点だった:3ページ目
「豊臣家族」の“輪”に居場所がなかった直
姉・とも(宮澤エマ)、妹・あさひ(倉沢杏菜)、その夫・弥助(上川周作)や甚助(前原瑞樹)、皆を包む母のなか(坂井真紀)という、兄弟たちの家族。
皆、明るく仲良しで、普段は藤吉郎のことを「お調子者」「エロ猿」などと悪口を言って笑っているものの、人質の件を聞けば、そこは家族なので皆、本気で心配しています。
そして、寧々もすっかりそんな家族に溶け込んでいる様子でした。豊臣の家で料理の手伝いをしている寧々は、本人からのプロポーズはまだでも、もうすっかり「お嫁さん」というポジションを確立している様子でしたね。
けれど、そんな家族の中で、“直の居場所”は不明瞭でした。
「藤吉郎が結婚するまでは……」と、直と一緒になるのを遠慮していた小一郎。
そのせいで、直は、許嫁でもない・妻でもない・家族でもない、とても曖昧なポジションでした。
3人が村を出てから約5〜6年が経過したのではないでしょうか。その間、小一郎は兄者のほうばかりを見ていて、直にプロポーズもしていません。
小一郎に望まれて一緒に付いてきたものの、直にとって「ここは私の居場所だ」と心の底から思える場所が今だにない状態です。
寧々の侍女として支える浅野の家の家族でもなく、豊臣姉妹・夫婦・母の住む家の家族でもない直。
だから、結婚して世帯を持つことで、戦国の世で侍としての道を歩み始めた小一郎にとって「私は貴方が帰ってくる唯一の場所=家」になりたかったはず。
「私が心配しているのは藤吉郎さんじゃない。あんたよ。ずっと兄者兄者って。あんなやつのために死んだら承知しないから。私はあんたにずっと生きていてほしいの。」
いつも兄者、兄者ばかりで自分と一緒になることなど二の次になっている小一郎に、本音をぶつけた直。
「私と◯◯◯とどっちが大事なの!?」なんて、一般的には“うざがられる代表的なセリフ”ですが。
今まで、小一郎をずっと励まし「生きておればそれで十分じゃ!」と思っている直だからこそ、沁みる素直で率直な言葉でした。
