迷った時はこう覚える!雨の擬態語「ぽつぽつ・ぱらぱら・しとしと・ざあざあ」の使い分けを解説:3ページ目
「ざあざあ」 音でわかる、文句なしの本降りです
「ざあざあ」は、雨が面で落ちてくるような本降りです。屋根や地面を叩く音がはっきりして、外の景色が白っぽく見えることもあります。
この雨になると、傘を差すか迷う余地はありません。差しても濡れます。
似合う場面は、こんなときです。
傘を差してもズボンの裾が濡れる
水たまりがすぐ増える
会話の声が自然と大きくなる
走るか、諦めて濡れるかの二択になる
例文です。
「帰りのチャイムが鳴ったころ、雨がざあざあ降っていました。」
この一文だけで、空気の荒さや、帰り道の面倒さまで伝わります。
使い分けに迷ったとき
「傘を出すタイミング」で考えると決めやすいです
雨の強さを数字で覚えるより、「自分ならいつ傘を出すか」に結びつけるほうが、感覚的にスッと入ります。
「ぽつぽつ」
傘を出すかどうか、まだ迷う雨です。
「ぱらぱら」
傘を差したほうがよさそうな雨です。気づくと少し濡れてきます。
「しとしと」
傘はあったほうが安心です。弱いのに、じわじわ濡れていきます。
「ざあざあ」
傘は必須です。移動するだけでも一苦労になります。
雨の日に「どれくらい降ってる?」と聞かれたとき、たった四文字で状況が伝わるのは、日本語の面白いところです。こうした言葉は「オノマトペ」と呼ばれます。
オノマトペは、音や様子を、音の感じで表す言葉のことです。これは日本語だけのものではなく、世界中の言語にあります。ただ、日本語はとくに種類が多く、音のない状態や気持ちまで表せるのが特徴です。
雨は同じように降っているようで、実は一瞬ごとに表情が違います。「ぽつぽつ」「ぱらぱら」「しとしと」「ざあざあ」⋯。
言葉を選ぶたびに、空の様子が少しだけ輪郭を持って見えてきます。次に雨が降ったら、スマホを見る前に一度だけ耳を澄ませて、どの雨か心の中で名づけてみてください。たった四文字の違いを意識することで、いつもの帰り道がちょっとだけ楽しくなるかも知れません
参考文献