『べらぼう』歌麿と蔦重、“二人の男の業と情”因果の果てに「写楽」の絵が誕生!?史実を元に考察:5ページ目
ていが持参した「恋文の返書」
鬱屈する歌麿の元へ、完成した「歌撰恋之部」を持参したおていさん。
「これは、蔦屋重三郎からの恋文。正しくは、恋文の返書にございます」
前回、歌麿が破り捨てたものだけでなく、計5作が勢ぞろいしました。見ると歌麿の署名を屋号より上にしたもの3作、逆が2作です。
すべて署名を上にしてもよかったのでしょうが、ただ商売のために媚びへつらう態度は、二人の関係において相応しくはないでしょう。
と言って、すべて屋号を上にするのは、歌麿を尊重していないことになってしまいます。だから蔦重が歌麿に一歩譲った割合としたのでした。
美女たちの毛割、着物の柄や色味など、摺師と大喧嘩しながら仕上げたと言います。歌麿の「恋心」を最高の作品に仕上げるため、ここまでリスペクトを示した本屋が、他に現れるでしょうか。
「戻ってやってはいただけないでしょうか?今、あの人は何よりも歌さんを望んでいます!」
そしてダメ押しとばかり出家宣言。産めなかった子供(和歌?)や亡き両親、そして死んで行った仲間たちの菩提を弔うため……そこまで並べ立てられると、さすがに嘘っぽく感じますが、やっぱり嘘でした。
それはともかく、おていさんも本屋として、見ずにはいられなかったのでした。「二人の男の業と情、因果の果てに生み出される絵」というものを。
果たして歌麿の業と、蔦重の情。からまる因果の果てに生み出された絵こそ、写楽の絵として昇華されるのでしょう。
第46回放送「曽我祭の変」
てい(橋本愛)とともに、歌麿(染谷将太)は蔦重(横浜流星)のもとに、再び戻ってくる。そして蔦重は、歌舞伎の興行に合わせて、絵師・東洲斎写楽の役者絵を売り出す!
※NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより。
とりあえず蔦重は重政先生と和解。筆者的にはここが一番気になるポイントでした。和解できて本当によかったよかった。
さていよいよ曽我祭。曽我物(曽我兄弟の仇討ちをテーマにした芝居や浄瑠璃など)の成功を祝してどんちゃん騒ぎが行われます。
そこへぶつける東洲斎写楽の役者絵。果たして蔦重たちの読みは当たるか否か……あれ、また一橋治済がお忍び姿?で蔦重に接近。相変わらずフリーダムですね。
また源内先生っぽい髷もちょっと映っていますが……果たして誰なのか、気になります。
ラスト3回、最後の最後まで楽しませていただきましょう!


