「べらぼう」復活の歌麿!北斎と馬琴の実際、宿屋飯盛の末路ほか… 史実を元に10月19日放送回を解説:3ページ目
蔦重と歌麿、関係の再構築へ
世はすっかり武者絵や相撲絵といった武骨な絵ばかりになってしまい、ここで女の大首絵を出せば売れると確信した蔦重。
しかしどれを見ても同じ顔しか描かれない女絵を大きくしたところで、それだけでは誰も買ってくれません。
女性ひとり一人の表情を巧みに描き出せるのは歌麿しかいない……ということで、蔦重は栃木まで足を運びます。
しかし歌麿は心を閉ざしており、当代一の絵師を出したい蔦重の夢も、ちゃんとしたいという思いもどうでもよくなっていました。
「おきよの事なんて、何も知らねぇだろうがよ!」
声を荒げる歌麿に対し、蔦重は「知らねぇよ?けど、この世でいっちゃん好きな絵師は同じだからよ」と切り返します。
歌麿の絵を誰よりも愛したおきよと蔦重。そして無数の贔屓筋が、歌麿の絵を求めていることは確かでした。
「おきよさんは、幸せだったと思うぜ。何十枚、何百枚、何千枚って、大好きな絵師に、亭主に、こんなふうに描いてもらってよ……俺がおきよさんだったら、草葉の陰で自慢しまくるぜ」
今まで永年語り合ってきた、夢だ何だはなしでいいから、心一つで決めてほしい……それで歌麿は、江戸への復帰を決めたのでした。
今後は兄貴分と弟分から、板元と絵師として関係を見直していくのでしょう。何とも寂しいけれど、このまま去ってしまうよりはよかったですね。
