「べらぼう」身上半減の実際、ていの儒学バトル、鬼平爆誕!など史実を元に10月12日放送の内容解説:4ページ目
世にも奇妙な身上半減
劇中では全財産のキッチリ半分を没収されていましたが、実はこういう刑罰は類を見なかったと言います。
また異説によると、身上半減(しんしょうはんげん)とは身上(年収)の半分を没収する過料であり、身代(しんだい。全財産)ではないというのです。
『山東京伝一代記』では「身上に応じ重過料」とあり、営業に差し支えるほどの大金ではなかったとも言われます。
蔦重が生きていた当時の史料に全財産の半分を没収された記録がなく、全財産の半分が没収されたという説は宮武外骨(みやたけ がいこつ)の『筆禍史(明治44・1911年)』以降に広まったものだとか。
そして、全財産の半分と言っても暖簾や看板までキッチリ半分持って行ったというのは、恐らくドラマの創作でしょう。
「間違って、借金も半分持ってってくんねぇかなぁ……」
こんな時でもジョークを忘れない蔦重に、さすがの鶴屋さんが初めて本気でキレました。
「そういうところですよ!」
……すいません(蔦重と同じことを考えてしまったのは、筆者だけではないですよね?)。
