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【べらぼう】智恵内子(水樹奈々)だけじゃない、江戸・天明期に活躍した女性狂歌師たち

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その他・遊女吾妻(あづま)

【狂号】源氏名。京都生まれで、大坂の遊郭に売られた模様。

身は浪華 心は都 名はあづま
のぼりつめたる 山本のさと

※遊女あづま(巻第十三)

【歌意】今は大坂浪華におりますが、心はいつも都にあります。そんな私の源氏名は東国(あづま)。なんと皮肉なことでしょうか。山本の遊郭で頂点に登り詰めましたが、何の感慨もありません。

【補足】遠く山本(摂津国河辺郡山本郷)の遊郭に売り飛ばされ、花魁となった今でも、故郷が懐かしんでいます。

すは子(多いので独立)

素破子?諏訪子?(すわこ)

【狂号】すわっ(驚きの感嘆詞)か、信州諏訪の出身か。

指おれは もはやすまいの 前がしら
けふどつこいと 思ひたつ旅

※すは子(巻第七)

【歌意】相撲の幕内(前頭)になったのだから、指折れ(負傷)で休場するような失態は犯すまい。今日は思い立つまま、どっこいと旅に出るぞ!

【補足】指折り数えて願望だけふくらませるのは、もうやめました。思い立ったが吉日、さっそく旅に出ましょう!

金銀は うちのばしても 身代の
延びぬ箔屋が 世話を焼き味噌

※すは子(巻第十ニ)

【歌意】金銀を打ち伸ばす箔屋さん。身代(財産)は延びないのに、そういう人に限って世話焼きなモンだよね。

【補足】貧乏人ほど親切で気前がいいのはなぜでしょうね。

あまてらす 神の祭を 生姜市
人もおしあふ 鮓の飯くら

※すは子(巻第十六)

【歌意】天照大御神を祀る生姜市(しょうがいち)。人が多くて押し合い圧し合い、これじゃ押し寿司になっちまうよ。

【補足】芝大神宮の生姜市は大層賑わったそうです。

5ページ目 婆々阿(ばばあ)

 

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