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【べらぼう】恋川春町の破滅のきっかけ『鸚鵡返文武二道』は実際どんな物語なのか?蔦重の運命も暗転

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鳳凰に麒麟までやって来た!

帝の聖徳・菅秀才の才知・大江の儒学が合わさったことで、今やすべての人々が文武両道に邁進するようになりました。

文(筆)を右手に、武(刀)を左腰に、四書五経など漢籍を読みこなすようになったそうです。

「経済は『韓非子(かんぴし)』、呑むなら剣菱(けんびし)に限る」

学問熱の高まりによって孝悌忠信の道が盛んとなり、先ほどの『九官鳥の言葉』もベストセラーになりました。

「そう言えば、凧を揚げれば天下が治まると『九官鳥の言葉』にあったなぁ」

だったらみんなで凧を揚げよう……我も我もと凧揚げを始めたので、仲間がいると勘違いした鳳凰(ほうおう。瑞鳥)が飛んできます。

「まさか凧を仲間と見間違えるなどあるものか。めでたい聖代だから出てきただけだ」

これは誠にめでたいと、人々は鳳凰を生け捕りにして、大徳寺前の茶店で飼わせました。

茶屋は鳳凰茶屋と呼ばれて大繁盛。めでたいついでに麒麟もやって来ましたが、鳳凰を飼う檻の片隅に置くという扱いだったそうです。

鳳凰と麒麟が一度に出てくるとは、何とめでたいことだろう。めでたしめでたし。

終わりに

今回は恋川春町の渾身作『鸚鵡返文武二道』について、ざっくりとしたストーリーを紹介してきました。

タイトルからも、永年の盟友である朋誠堂喜三二『文武二道万石通(ぶんぶのふたみち まんごくどおし)』を巧みに「おっかぶせ」ていることが分かります。

しかしこの事から、田沼派を叩いていた『文武二道万石通』までもが発禁処分のとばっちりを受けることになりました。

喜三二は黄表紙から引退し、春町は命を落とすことになります(死因は病気や自害など諸説あり)。

「べらぼう」では春町がどのような最期を遂げることになるのか、心して見届けましょう!

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※参考文献:

  • 恋川春町『鸚鵡返文武二道 3巻』国立国会図書館デジタルコレクション
  • 棚橋正博ら注解『新編日本古典文学全集79 黄表紙 川柳 狂歌』小学館、1999年7月

※トップ画像:大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」公式サイトより ©️NHK

 

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