【終戦の日】ポツダム宣言とは何か?戦後80年に知っておくべきその内容をわかりやすく紹介:4ページ目
第13条「終わりに」
(13) We call upon the Government of Japan to proclaim now the unconditional surrender of all the Japanese armed forces, and to provide proper and adequate assurances of their good faith in such action. The alternative for Japan is prompt and utter destruction.
十三 吾等ハ日本國政府ガ直ニ全日本國軍隊ノ無條件降伏ヲ宣言シ且右行動ニ於ケル同政府ノ誠意ニ付適當且充分ナル保障ヲ提供センコトヲ同政府ニ對シ要求ス 右以外ノ日本國ノ選擇ハ迅速且完全ナル壞滅アルノミトス
【意訳】以上、我々は日本国に対して①日本国軍隊の無条件降伏と②日本国政府による前項の保障を要求する。これ以外に日本国が採りうる選択肢は、迅速かつ完全な破滅のみである。
ポツダム宣言まとめ
……以上がポツダム宣言の内容です。1945年(昭和20年)7月26日にハリー・トルーマン米大統領、ウィンストン・チャーチル英首相、蒋介石(しょう かいせき)中華民国政府主席の連名で発せられました。
この条件を呑むか、さもなくば徹底的に破壊し、滅亡させる。そんな最後通告を受けて、大日本帝国は降伏を受諾したのです。
※よく「無条件降伏した」と言われますが、無条件降伏したのは日本軍であり、日本政府についてはポツダム宣言という条件をもって降伏しました。
ポツダム宣言・各条まとめ
①最後のチャンスを与えてやろう。
②こちらは最終攻撃の準備を整えた。世界中が我々の味方だ。
③ナチス・ドイツと同じ末路をたどりたいか?
④バカな軍国主義者にいつまで従うのか?
⑤以下の条件を呑め。譲歩も回答延期も認めない。
⑥軍国主義者を排除し、社会的に抹殺せよ。
⑦日本を完全無力化するまで、日本を占領する。
⑧日本の領土は、我々が限定する。
⑨日本軍を完全に武装解除せよ。
⑩戦争犯罪人を厳罰に処する。国民の基本的人権を尊重せよ。
⑪産業は維持させてやる。ただし再軍備は禁止。
⑫日本人が平和政府を樹立したら、占領軍を撤収する。
⑬ただちに日本軍を無条件降伏させよ。さもなくば完全に滅ぼす。
……ざっくりこういう内容です。
補足
なお、日本の領土が法的に確定したのは昭和26年(1951年)9月8日に調印されたサンフランシスコ平和条約(発効は昭和27・1952年4月28日)であり、文中に出て来たカイロ宣言やポツダム宣言は領土に関する法的効果を持ちません。
……(前略)……カイロ宣言及びポツダム宣言は、領土の最終的処理を決定したものではない。……(後略)……
終わりに
今回はポツダム宣言について、わかりやすく解説してきました。
それにしても、第12条(日本が平和政府を樹立したら、占領軍は撤退する)という条項はいつになったら果たされるのでしょうか。
いま米軍が日本から完全撤退したら、それこそ中国やロシアが攻め込んで来ることは間違いないので、残念ながらいてもらわなくては困りますが……。
敗戦80年の節目に臨み、日本人として平和の尊さはもちろん、先人たちの葛藤と決断に思いを馳せるよすがとなれば幸いです。
※参考文献:
- 山田侑平 訳『「ポツダム宣言」を読んだことがありますか?』共同通信社出版センター編、2015年7月

