江戸商人はコスプレで勝負!巨大トウガラシを抱え売り歩いた「トウガラシ売り」のビジネスセンスよ

雲川ゆず

戦国時代が終わり平和な時代になった江戸時代は、商業や文化などが花開いた時期でもあります。今回の記事では、江戸時代のおもしろい職業についてご紹介したいと思います。

自分を売り込む技術のひとつとして、現代に生きる私たちもヒントが得られるかもしれません。

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江戸時代はいろんなものを売り歩いていた

人々がお店に行ってほしいものを買う、というスタイルだけでなく、江戸時代にはいろいろなものの売り歩きが行われていました。野菜、魚といった食品から、食器、ほうきなど日々の生活に必要なものまで……。

 

著作堂 [著]『近世流行商人狂哥絵図』,写,天保6(1835). 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/11038510 (参照 2025-08-27)

ほかにも、紙くず、火鉢に入れる灰、蛍、鈴虫など、驚きのものまで売られていました。

江戸時代にトウガラシが人気になった理由

落語などでも、江戸っ子がお蕎麦を食べる、というシーンはよくありますよね。実際、江戸時代にはお蕎麦が大ブームとなり、お蕎麦屋さんは3000軒以上あったと言われています。そして、お蕎麦の薬味として人気になったのがトウガラシでした。

そもそもトウガラシは、中国を経由し、慶長期(1596~1615年)に日本に伝わったと言われています。そして、嘉永2年(1625年)、漢方薬の研究家であり薬の調合師の
中島徳右衛門(なかじまとくうえもん)が、漢方薬をヒントとして、七味唐辛子を考案しました。「からしや」を創業し、七味唐辛子を販売したところ、大ヒットとなりました。

2ページ目 トウガラシ売りの戦略とは?

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