江戸商人はコスプレで勝負!巨大トウガラシを抱え売り歩いた「トウガラシ売り」のビジネスセンスよ:2ページ目
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トウガラシ売りの戦略とは?
トウガラシ人気にあやかり、トウガラシの粉を売る「トウガラシ売り」が登場しました。特筆すべきは、その見た目。なんと、約180センチメートルの大きな張りぼての唐辛子を抱えながら売り歩いていたというのです。

著作堂 [著]『近世流行商人狂哥絵図』,写,天保6(1835). 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/11038510 (参照 2025-08-27)
大坂のトウガラシ売りは、口上で勝負!?
江戸のトウガラシ売りも、「とんとんとん唐辛子~」という小気味いいテンポの呼び声でトウガラシを売り歩いていたといいますが、上方・大坂では話術を使った商売が行われていました。
大坂でも、うどんの薬味としてトウガラシは大人気に。大きな張りぼてのトウガラシを背負って売るのではなく、話術を使ってお客さんを惹きつけていました。特に有名なのが、甘辛屋儀兵衛(あまからやぎげい)というトウガラシ売り。
都市の風俗を解説した『守貞饅稿(もりさだまんこう)』という書物によれば、彼はお客さんの求めに応じて面白い口上を並べるのが評判だったとか。なんと、彼にチップを払う人もいたそうですよ。彼の人気ぶりや話の上手さがわかりますね。
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