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実は作り話なのか?江戸時代の「義民」や「義賊」誕生の実態 ~佐倉惣五郎、鼠小僧次郎吉~

実は作り話なのか?江戸時代の「義民」や「義賊」誕生の実態 ~佐倉惣五郎、鼠小僧次郎吉~:2ページ目

鼠小僧次郎吉

また、江戸時代の泥棒・鼠小僧次郎吉も、義賊として語られた人物の一人です。彼は博打の資金欲しさに、とび職の身軽さを活かして盗人稼業を始めたのですが、捕えられて処刑されました。

鼠小僧次郎吉(Wikipediaより)

実際には次郎吉は単なる泥棒に過ぎませんし、ともすれば女性に対して覗きも働いた変質者だったフシもあります。

実はただの盗人です!江戸時代の盗賊「鼠小僧」はなぜヒーローとして伝説化されたのか?

義賊として知れ渡っている鼠小僧は歌舞伎やドラマなどの多くの創作物で活躍しています。四代目市川小團次の鼠小僧/Wikipediaよりしかし「弱い者のために盗みを働く盗賊」というのは後付…

そんな彼が称賛の対象になったのは、主に武家屋敷で盗みを働いていたからです。武士階級が絶対だった社会において、単身で武家屋敷に盗みに入った次郎吉の行動は庶民にとって痛快だったのです。

こうした評判は次郎吉が捕まった直後から既にあったようで、彼の処刑の際には次郎吉の姿を見るために人だかりができたといいます。

次郎吉をモデルにした歌舞伎の演目では、彼は盗んだ金を貧しい庶民に分け与えています。

盗まれた金銭が家宅捜索でほとんど見つからなかったので、このような説が生まれたのですが、実際は博打や酒に費していたようです。クズですね。

参考資料:縄田一男・菅野俊輔監修『鬼平と梅安が見た江戸の闇社会』2023年、宝島社新書画像:photoAC,Wikipedia

 

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