「べらぼう」蔦重vs鶴屋の笑顔に視聴者震撼!そもそも狂歌とは?ほか…史実をもとに5月25日放送回を解説:3ページ目
「すべて田沼のせい」田安家を排除する一橋治済(生田斗真)
嫡男・豊千代(後の第11代将軍・徳川家斉)を将軍世子として徳川家治(眞島秀和)の養子に出し、島津家の茂姫と縁組させた一橋治済。
自身の権力欲は隠しながら田安家を排除し、その怨みをすべて田沼意次(渡辺謙)へ向けさせる老獪な政治手腕を発揮します。
西ノ丸を追われた知保の方(高梨臨)、田安家を守る宝蓮院(花總まり)の怨みは、治済の思惑どおり田沼へ向けられたのでした。
このままで済むはずがない。田沼意次の心配をよそに、してやったり顔の一橋治済。今後どのような展開を迎えるか、固唾を呑んで見守るばかりです。
工藤平助『赤蝦夷風説考』とは?
田沼政権の勘定組頭として、羽振りのよい土山宗次郎(栁俊太郎)。やがて蝦夷地(北海道)の開拓に深く関与して世間を騒がせることになるのですが、そのカギとなるのが工藤平助(おかやまはじめ)の書いた『赤蝦夷風説考』でした。
当時注目が集まりつつあったロシア対策を論じたもので、蝦夷地に眠っている金銀の鉱脈を開いて蝦夷地を開拓し、ロシアの南下に備えるべきと主張しています。
「……蝦夷地に興味はございませんか?」
今は亡き平賀源内(安田顕)が、田沼意次に進言していた声が脳裏をよぎった視聴者も多いのではないでしょうか。ようやく時代が彼に追いつきつつありました。
幕府としても外国の動向にも神経を遣うことが多くなり、いよいよ幕末の気配が感じられますね。

