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「べらぼう」蔦重、ついに覚醒!吉原者が“作り笑顔”で市中の地本問屋たちを確実に刺し返す!【前編】

「べらぼう」蔦重、ついに覚醒!吉原者が“作り笑顔”で市中の地本問屋たちを確実に刺し返す!【前編】:2ページ目

「蔦谷さんが作る本など、何一つ欲しくはない」の言葉に微笑みバトル

さらに、鶴屋の「蔦谷などすぐ潰れる」と言う言葉を間に受け、耕書堂の本を置かなかった市中の本屋たちは、最近の蔦重の快進撃を知り怒り心頭になり、鶴屋に抗議します。

彼らが蔦重の味方になることを懸念して「耕書堂の本を置いていい」と認めます。

その「お礼」にと、わざわざ鶴屋を訪れる肝の太い蔦重ですが、鶴屋は「蔦谷さんが作る本など、何一つ欲しくはない」と、口元だけ笑みを浮かべ宣告します。

その「にべもない言葉」を受け、ふと視線を畳の上に落とす蔦重……と思いきや、口角を上げ、ふっと微笑み返します。「わかりました。鶴屋さんが取引したいと思えるような本を作るべく、精進します」と、堂々と澱みなく言い返しつつ、ぱぁ〜と花が咲いたような余裕の笑顔を返したのでした。

大河「べらぼう」ドラマ特有の「光と影」の演出も効いて、お互いに静かにばちばちにやりあう場面は印象的でした。蔦重が、格段に、大人に、したたかに成長したのを感じます。

前回、完全に嫌われているのを承知で市中本屋の寄り合いに顔を出したときも、強心臓だなと感じましたが(でも、勢いよく襖を開ける直前に、自分を鼓舞するかのように口角を上げて、笑みを作っていましたね。)、今回も嫌われている鶴屋に直接単身で訪ねていく行動力とフットワークの軽さとメンタルの強さは、さすがです。

蔦重が満面の笑みを残して去った後、いつも不敵な鶴屋の「チッ」というちょっと悔しそうな顔も面白かったですね。

今回、「蔦重の耕書堂が出した本だから」という理由で取り扱えないことに不満を抱き蔦重の肩を持ち、鶴屋に掛け合うことに協力してくれたのが本屋・岩戸屋源八(中井和哉)です。

蔦重がお礼を言いつつ、売れる本をどっさり渡したついでに、「こんなのもどうです?」と手渡したのが、恋川春町(岡山天音)が描いた「100年後のお江戸」の本『無益委記(むだいき)』でした。

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5月18日(日)に放送された、大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」、第19話「鱗の置き土産」。今回も泣いて笑って、そして泣いて…「べらぼう」らしいドラマチックな展開でしたね。ところで「べ…

おかしな丁髷姿の男たちの絵を見て「おお!」と興味を惹かれた岩戸屋は、早速数十冊注文します。「ありがとうございます」とにこやかな蔦重。けっこう、したたかで人たらしな商売人の顔になってきたようです。

岩戸屋さんも、「面白い本は売って、たくさんみなに読んで欲しい!」という想いを持つ、“根っからの本屋”なんだなと感じました。

西村屋や鶴屋に対しての「煽り」の態度といい、すっかり、強気と自信が身に付いてきた蔦重。

ビジネスが絶好調なこと、弟のように愛する唐丸が生きて戻って来たこと、その才能をいかし歌麿として心強い相棒になってくれたこと、いろいろな人々が「チーム蔦重」となり盛り立ててくれることetc……そんな状況の変化が、蔦重に耕書堂の主人としての自信を授けたのだと思います。

17話から蔦重の新しい出版ビジネスの幕開けがスタートし、奇跡の唐丸との再会、敵対関係になっていた鱗形屋孫兵衛(片岡愛之助)との仲が修復、恋川春町(岡山天音)と組みヒット作を作れるようになりと、快進撃が続いています。

3ページ目 人気の狂歌師・太田南畝との出会いで新しい世界へ

 

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