遊女や囚人までも救った、意外と知られていない万能すぎる鎌倉時代の僧侶・叡尊の功績:2ページ目
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大和西大寺の復興にも尽力した叡尊
叡尊が西大寺に入った当時、寺は残念ながら荒廃していました。入寺した翌年、叡尊と同じ志を持つ覚盛(かくじょう)、円晴(えんせい)、有厳(うごん)らとともに、東大寺で自誓授戒(じせいじゅかい:仏・菩薩から直接に受戒して戒律護持を誓うこと)を行いました。
戒律を厳しく守る叡尊のもとには、囚人や遊女、天皇など多くの弟子が集まり、次第に西大寺の再建も進みました。なお、彼は生涯で700ほどのお寺を創建・修復しています。
貧しい人々に手を差し伸べる
叡尊の大きな功績は、貧しい人々に手を差し伸べたということでしょう。彼は、ハンセン病患者や身体障がいを持つ人、生活に困窮した人などの救済を開始。施茶(茶の施し)や日本初の病院「北山十八間戸」の設立などを行いました。
また、庶民の働き口を確保し、陸上や河川、海上の交通路の整備、耕地開発などを進めました。
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