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大河『べらぼう』身請け後、横領事件に巻き込まれ…実在した花魁「誰袖(福原遥)」が辿った光と影【後編】

大河『べらぼう』身請け後、横領事件に巻き込まれ…実在した花魁「誰袖(福原遥)」が辿った光と影【後編】:2ページ目

将来花魁になる大文字屋の秘蔵っ子「振袖新造」かをり

吉原では、「禿」が15歳前後になると「新造」となるのですが、中でも容姿や教養、稽古事の面で秀でた少女は将来有望とされ「振袖新造」になり、花魁見習いとして本格的な修行・教育期間に入ります。

花魁が他の客の相手をしているときは、名代として客の話し相手や添い寝をすることもありましたが、絶対に「客が手だしをするのはご法度」でした。

一方、それほど期待されない禿たちは「留袖新造」となり、早々に客を取らされました。かをりは、大文字屋が秘蔵っ子として大切にしている花魁見習いなのでした。

そのため、そんなかをりが昼間から“吉原の男”蔦重に抱きつき、人目もはばからずに「スキスキ」攻撃をしかけるなどもってのほかだったので、常に大文字屋の遣手・志げ(山村紅葉)が仕置き棒を片手に目を光らせていたのです。

そんなかをりですが、第11話「富本、仁義の馬面」では、江戸で人気の吉原嫌いの富本節の太夫「馬面太夫(寛一郎)」とお近づきになりたいと悩む蔦重に思わぬナイスパスを渡します。

かをりの、「わっちは鳥の籠。まことの芝居など見たことありんせん。いつかわっちの手を取り芝居町へ」というセリフにひらめいた蔦重は、太夫たちを座敷に招き富本を聞かせてやってほしいとお願いし、結果太夫たちを仕事上の味方につけることに成功したのでした。

3ページ目 明るくポジティブなだけではなく強さも感じる誰袖

 

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