諸説ある平賀源内(安田顕)の最期を紹介。孤独と狂気にハメられた天才…【大河べらぼう】第16回放送レビュー:2ページ目
多彩すぎた平賀源内の活躍
かくして非業の死を遂げてしまった源内先生ですが、劇中で言われるような「何一つ成し遂げなかった」ということはないでしょう。
平賀源内は学者・蘭学者・医者・事業家・文筆家・芸術家・発明家と、才気煥発な生涯で知られ、確かに失敗も少なくありませんでした。
しかし失敗の多さは挑戦の多さであり、ほとばしる意欲と才能を天下に示した軌跡は、令和の現代においても人々に勇気と感動を与えています。
ここでは平賀源内が後世に残した作品の一部を紹介しましょう。
- 本草学『物類品隲(ぶつるいひんしつ)』各地の産物を紹介。
- 吉原細見『嗚呼御江戸(あぁおえど)』序文を執筆。
- 戯作『根南志具佐(ねなしぐさ)』同性愛コメディ小説。
- 狂文『風来六部集(ふうらいろくぶしゅう)』社会評論「放屁論」など。
- 浄瑠璃『弓勢智勇湊(ゆんぜいちゆうのみなと)』源平合戦が題材。
- 絵画「黒奴を伴う赤服蘭人図」
- 絵画「西洋婦人図」
- 火浣布(かかんふ。アスベスト)の開発
- 源内焼(げんないやき。陶磁器)の指導 など。
どれも興味深いものですが、一方で器用貧乏に見えなくもありません。あれもこれも出来てしまうと「この人ならこれ」という印象が薄いことから、人々から軽薄に評されてしまったものだと思われます。
