古代人もやっぱりウナギ好き!古代の日本人は何をどう食べていた?木簡や古文書から読み解く当時の食文化【前編】:2ページ目
木簡は貴重な情報源
これについては、『延喜式』『万葉集』のほか奈良・正倉院に残る文書の分析や、出土する土器の焦げ跡の観察などを通じて調べられてきました。
しかし、調べると言っても手掛かりがなければどうしようもありませんから、ある程度記録が残っているものを調べていくしかありません。例えば公式の場の食事や宴会などです。
そんな中でも、長屋王家跡周辺で発見された大量の木簡などは大きな手掛かりで、当時は牛乳を消費していたこと、畿内近郊から大根などの野菜が届いたこと、ウリのかす漬けを食べていたこと、などが記されています。
中には金銭出納簿のような木もあり、市場で食材を買うごとに「鮭五隻(匹)」が「百文」、「古鯖」が「五十文」、「鴨四羽」が「百文」と価格まで記されていました。
日常生活に近い場で使われた木簡の情報は、当時の肉声に近く、これなどは貴重な発見でした。
