この生き様、どう描く!?平賀源内の遺体を引き取った相棒・平秩東作(木村了)の男気あふれる生涯【大河べらぼう】:3ページ目
エピローグ
急度叱を受けたことで意気消沈してしまったのか、平秩東作はあれほど情熱を燃やしていた狂歌界から身を引きます。
仲間に迷惑がかかることを恐れたのか、あるいは仲間たちから疎まれたのかも知れません。
そして寛政元年(1789年)3月8日、64歳で世を去りました。
若いころから危険なスパイ活動を買って出たり、罪人とされた源内の遺体を引き取ったり、土山宗次郎を匿ったり……男気ある人物でしたが、多くの者が平秩東作の死を惜しんだことでしょう。
終わりに
今回は平賀源内の相棒である平秩東作について、その生涯をたどってきました。
マルチな才能を世に現わそうと奔走し、蝦夷地まで渡ってしまうフットワークはついに幕府を動かすまでに至ります。
また危険なスパイ活動に名乗りを上げたり、平賀源内の遺体を引き取ったりなど、男気あふれる人物でした。
(犯罪者を匿うのはいけませんが、彼にも考えがあったのでしょう)
果たしてNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」では、どのような生き様が描かれるのか、これからも楽しみにしています!
※参考文献:
- 井上隆明『平秩東作と周辺』日本近世文学会、1990年
- 岡本勝ら編『近世文学研究事典』おうふう、2006年2月
- 賀川隆行『日本の歴史11 崩れゆく鎖国』集英社、1992年7月
