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大河「べらぼう」稀代の天才・平賀源内(安田顕)が「暗闇」に陥り悲劇的な終焉を迎えてしまう“なぜ?”【後編】

大河「べらぼう」稀代の天才・平賀源内(安田顕)が「暗闇」に陥り悲劇的な終焉を迎えてしまう“なぜ?”【後編】:5ページ目

さまざまな疑惑や推測が展開されている源内の死

ただし、「源内は下戸で意識を失うほど大酒を飲むはずがない」「大工とは仲が良かったので傷害事件を起こすほどの喧嘩になるはずがない」「そもそも源内は刀はすでに売り竹光だった」「精神的に疲弊していたので牢獄にいる自分に耐えられず食事を断り自死した」……などいろいろな説も展開されているのです。

もし、源内が恋人だった亡き瀬川菊之丞と共に暮らし、時折舞の稽古を眺めるような心和む時間を持てていたなら。孤独に苛まれたり悩んだり闇に落ちたりはしなかったのでは……と、つい想像してしまうのでした。

20日(日)の16回「さらば源内、見立は蓬莱(ほうらい)」。予告では「俺の手柄のぶんどるのやめてくれませんかね」というようなセリフで語気を荒げているのは源内の声のようです。最後、提灯を手に空を見上げて佇んでいるのは蔦重かと。はらはらと小雪が舞っているように見えます。源内が亡くなったのは12月18日。

さまざまな素敵なアドバイスをくれ背中を押してくれた源内の死の喪失感に呆然としているようにも見えます。

登場したころの、明るく飄々とした表情・早い語り口・自由奔放な生き方・お洒落な着こなし・亡き人を偲ぶときの涙・若いイケメンを見ては片っ端から露骨に誘いをかける自由さ・時折放つ下ネタ……思い浮かべるのはそんな人間的に奥深い魅力を持つ平賀源内ばかり。去ってしまうのは辛いものです。

森下氏の脚本では、悲劇的な最期はどのように描かれていくのか、見届けたいと思います。

 

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